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2021年11月20日

老後に必要な生活費とは

介護ブログ

老後に必要な生活費とは

今話題のFIREや老後資金について計算してみよう

「人生の三大支出」をご存じでしょうか。

人生の中には様々なお金が必要となりますが、中でも大きな支出といわれるのが教育資金、住宅資金、老後資金の三大支出です。

教育資金と住宅資金については、場合によっては必要ないという方やすでに支払いを終えてしまったという方もいらっしゃいますが、老後資金については必要ありませんという方はいらっしゃらないかと思います。

人生100年時代といわれる今、充実したセカンドライフを送るためにも老後資金については計画的に準備をしておきたいところです。今回は、老後資金やセカンドライフについてお伝えしていきます。

【INDEX】
 老後に必要な生活費の目安とは?
 老後資金を考えるときの計算式について
 FIREについて知っておこう
 ■最後に

老後に必要な生活費の目安とは?

具体的な老後資金については、持ち家か賃貸かといった住環境や同居されるご家族の有無、求める生活水準などによって大きく必要額が変わってきます。

今回は単身で一人暮らしの場合とご夫婦二人暮らしの場合の生活費について、総務省が公表している資料を基に一般的な目安を見ていきましょう。

◆65歳以上の単身無職世帯の収入と支出

※総務省「家計調査年報(家計収支編)2020年家計の概要」より

総収入から税金や社会保険料を引いた、いわゆる手取り金額である可処分所得が約12.5万円。それに対し消費支出が約13.3万円であるため、不足分があることが分かります。

◆65歳以上の夫婦無職世帯の収入と支出

※総務省「家計調査年報(家計収支編)2020年家計の概要」より

可処分所得が約22.5万円、消費支出が約22.4万円のため高齢者夫婦世帯の場合は収入が支出を上回りましたが、ほとんど手元にはお金が残らない状態です。

総務省の調査によると、2020年は特別定額給付金が支給されたことなどもあり実収入は前年比プラス、逆に新型コロナウイルスの影響により外出自粛や飲食店などの営業自粛を受け支出が減少したため、生活費が例年よりも減少したという結果になりました。

しかし今後は自粛解除により以前の生活水準に戻ることなどを考慮すると、多くの場合は収入から支出を差し引いた際の不足分が発生すると考えられます。不足額は人それぞれですが、月々の年金収入だけで支出を賄うのは難しいと考えておいた方が無難でしょう。


老後資金を考えるときの計算式について

2019年以前のデータによれば多くの場合は支出が収入を上回り、平均して月3~4万円の不足分が出ています。以前話題となった老後2,000万円問題は、このような不足分が老後30年続いた場合に約2,000万円不足するというお話でした。

不足分に関しては、老後も働きに出て収入を増やすか手元の預貯金や退職金を切り崩して賄うパターンがほとんどです。安心した老後を迎えるためには、手元の資金を早めに準備をしておきましょう。老後資金を準備する際には、目標金額を設定しておくことをおすすめします。

以下、目標金額を設定する際の計算式について記載しますのでご自身の状況に合わせて計算してみて下さい。

①今の生活費を基に老後の支出を想定、大まかに老後の月額生活費を算出
 
②想定した老後の生活費に、定年から平均寿命までの年数をかけ必要な老後資金を算出
※2020年日本人の平均寿命 男性:81歳 女性:87歳
<例>65歳定年予定の単身男性が月々15万円で生活する場合
15万円×12か月×16年間(65歳から81歳まで)= 2,880万円
 
③算出した老後資金の金額から、受給予定の年金、退職金、用意できる預貯金などを差し引く
※受け取れる年金額についてはねんきん定期便、退職金については就業規則等を参照
 
④算出された不足額がこれから準備すべき金額

老後は毎月の生活費以外に医療費や介護費用がかさむことが想定され、自宅の修繕費、家具・家電の買い替え、子どもの結婚費用など一時的な支出も発生します。また上記金額は、あくまでも平均寿命まで生きた場合です。

実際には④で算出した金額にプラスして、少し余裕を持った目標金額を設定するようにしましょう。


FIREについて知っておこう

リタイアや引退の新しい形として「FIRE」という言葉をご存じでしょうか。

FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の頭文字を取ったもので、直訳すると「経済的自立、早期リタイア」という意味になります。

退職したら以後働かないという一般的な老後のリタイアとは異なり、FIREは働いてもいいし働かなくてもいい、自分のしたい仕事を好きなタイミングで自由に選べるという、お金のために働く生活からの解放という側面があります。仕事を辞めた後は投資収入によって生活費を賄い経済的に自立することができるため、働くということについて自由に選択することができるのです。

実現する一つの目安として、「4%ルール」というものをご紹介します。これは年間支出の25倍の資産を用意し、それを年利4%で運用、その後の生活費を4%以内に収めれば元本を維持したままずっと生活ができるという考え方です。

<例>月々の生活費が25万円と仮定した場合
 
25万円 × 12か月 = 年間300万円の生活費
300万円 × 25年分 = 7,500万円の資産を用意
7,500×0.04(年利4%で運用した場合)= 300万円の収益
 
生活費を300万円以内に収めれば元本は減らない

会社やお金に縛られず、自由な時間を手にできることには夢がありますが、はじめに年間支出の25倍を用意するなど現実的には高いハードルがありメリットばかりではありません。

実践するしないに関わらず、このような考え方も将来のライフプランを考える上できっかけの一つとして頂ければ幸いです。


最後に

老後というと漠然と不安に思われる方や不安で仕方がないという方も多くいらっしゃいます。

まずは老後の収入と支出を算出し、年金収入でどのくらいの支出が賄えるのか計算してみて下さい。不足額があればどのような方法で準備するのか、いつまでにいくら貯める必要があるのか具体的に対策をたてて実行に移していきましょう。

老後の不安を少しでも解消するためには、将来のライフプランをなるべく明確にして早め早めに準備をしていくことをおすすめします。


ライタープロフィール紹介

林 舞(はやし まい)

  独立系1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)

就職、結婚、出産、住宅購入など様々なライフプランを経る中で自身のマネーリテラシーの低さに気付き、これからの現代社会を生き抜く力を身に付けたいとファイナンシャルプランナーの資格を取得。

現在は個人のお客様を中心に、家計の見直し、資産運用、住宅相談、生命保険・損害保険など、お金に関して幅広く相談を受けている。

「お金の知識を身に付けて、今も老後も楽しむ」をコンセプトに、ブログやTwitterでもお金に関する情報を発信中。(ブログ: https://maiblog.org/